WORKS施工事例
ほとんど使わなくなった和室を洋室に変え、快適な生活を手に入れた部分断熱リフォーム
松山市 O様邸
ひと部屋だけ断熱工事をしようと思いついたキッカケは何ですか?
高齢となってから夜中に2階の寝室から階段を下りて1階のトイレに行くのが億劫に感じていました。また、うっかり階段を踏み外しかけたこともあります。リビングに隣接する物置部屋と化していた客間の和室を寝室にすると安心して休めるのではと思ったのがキッカケです。
どうせやるなら模様替えだけでなく、部分的でも断熱と耐震工事をして夏涼しく、冬暖かい部屋にしたいと追加でお願いしました。ちょうど始まった「住宅省エネ2023キャンペーン」で補助金がもらえるのが後押しとなりました。
「住宅省エネ2023キャンペーン」とは、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、家庭部門の省エネを支援するため、新たに創設された3つの補助事業の総称です。
今回の部分断熱改修工事は経済産業省・環境省による「先進的窓リノベ事業」のリフォーム補助金の採択を受けて2023年2月6日より実施しました。施工期間は約1ヶ月です。
改修工事前と工事後の変化~室内温度測定&和室
効果実測定-改修工事前
2月5日21時頃に和室と隣接するリビングのエアコンを停止して、無暖房状態で翌朝6時頃に温度を確認しました。外気温が6.4℃→2.4℃と下がる中、改修前の和室温度は19.1℃→8.1℃、和室と同条件のリビングも19.3℃→9.4℃まで下がっています。
効果実測定-改修工事後
2月21日22時頃に和室と隣接するリビングのエアコンを停止して、無暖房状態で翌朝6時頃に温度を確認。外気温が4.6℃→2.1℃に下がる中、改修後の和室温度は21.3℃→13.6℃と温度の下がり方が緩やかになりました。改修前の和室と同条件のリビングでは21.2℃→8.6℃まで下がっています。
物置部屋と化していた客間の和室を洋室にリフォーム。
壁面全体の掃き出し窓を撤去して高性能なLOW-Eガラスの小窓に変更、断熱強化と耐震改修工事も行いました。
改修工事 進捗状況
内部造作の撤去作業
タタミや真壁、和室の押入れも全て撤去して、外壁だけはそのまま。まず躯体だけにしています。
内部造作の撤去作業
座敷の床は土台、大引き、火打ち材などを残し、床組みをいったん撤去しました。床下の蟻害などをチェックして新しく根太組から改修しています。
内部造作の撤去作業
和室天井材や野縁も全て撤去、梁・桁と2階床組の合板が見える状態までにし上下階の断熱層に改修。リビングとの続き間の建具も撤去して間仕切り壁にも断熱層を造ります。
床の断熱材施工
硬質ウレタンフォーム断熱パネル、厚60㎜を床の根太間に隙間なく施工していきます。
壁の断熱材施工
床組みは断熱施工後に合板を捨て貼りして、その上に仕上げ床材となります。
壁の断熱材施工
間仕切り壁面や建具の開口部分も全て高性能断熱パネルで1室のみ断熱強化施工をしています。
掃き出し窓の撤去と断熱材施工
大きな掃き出し窓を撤去して、外壁面に高性能断熱材を施工しています。厚み60mmなのでモルタル壁補修の下地ラス板との間に55mmの空気層ができるので、既存壁のラス板も結露などの腐食を防止しています。
外壁仕上げ材施工
断熱ボードと防水・透湿シートの間に通気層を確保して外壁モルタル仕上げ下地のラス板貼ります。ここから左官工事、塗装工事で外壁補修が完了します。
内装下地工事完了
床・壁の内装下地が完了。押入れはクローゼットに、和室引戸は洋室ドアに変わりました。
使用した断熱材
断熱材はリクシルのSWパネルを使用。
厚み60㎜の硬質ウレタンフォームで熱伝導率は0.024Wの高性能パネルです。
耐震改修工事
断熱材を施工した内装下地にはプラスターボードと同じ厚みで内装耐力面材(壁倍率2.3)の耐震ボードを角コーナーなどに施工して、耐震性能もアップしています。
天井断熱施工
2階床との階間には高性能グラスウール(厚み155mm)を充填して上階との温度差と音を防止しています。
断熱改修が終わって1ヶ月程経ちましたが、生活はどう変わりましたか?
老後のための資金から捻出した予算の範囲内なので、部分的な断熱工事となりましたが、肌寒い朝に隣のリビングは15℃以下になっていても改修した寝室は3~4℃室温が高いので、布団から出るのも気にならなくなりました。1日の内、3分の1程度を過ごす部屋が快適になったことで、活動的になったような気がします。